いばら姫



話し込んだ末
予想以上にケムリの巻いた部屋で
二人して必死に本や新聞紙で仰いだ


西がゲラゲラ笑って
マジックでチラシの裏に
『サンマ、焼いてます』と書いて
窓ガラスに貼付ける


10分位そんな騒動で
それでもまだ天井に雲海があり
窓を閉めて、
クーラーの空気清浄効果に任せる事にした


「 淳!そろそろ時間 」



テーブルの前には
少し焦げた秋刀魚と味噌汁
いそいそと何故か正座する西


俺は
雲海に追い打ちをかける様に
タバコを吸い始め

テレビをつけて、その瞬間を待った








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