いばら姫




「 …何がですか… 」



「…ん〜…
言わせたいなら言うけど

"美人薄命"を絵に描いた様な子だろ


撮られたり歌ってる時とは違い
通常はかなり面白くて
周りのスタッフを大笑いさせてたけど

…逆にそれすらも
彼女へのその感覚は正しいんだ
―― そう確信させる要因になった

壮絶ささえ感じたよ



彼女は存在として、稀有だ

綺麗なタレントは
今後も沢山出てくるだろうけど
あんな子はもう、現れないと思う

――― ノーマジーンみたいな存在が
二度と現れなかった様にさ



…だからこそ、一度見た者
親しく付き合った者なら余計
誰でも独占して
欲しくなって行くんだろうし

"彼女になれない奴ら"は
口さがなく悪口を、
ネット上や記事に書き連ねたり、
唾を飛ばして言い立てる



…こんな涼しい顔して語ってるけど
俺だって、彼女をモチーフにして
脚本とか絵コンテとか
勝手に考えた事あるもんな 」



「 ………… 」



「 … だけど、
夏を過ぎた頃からかな

彼女の様子が少し違って来てて

―― 何か安心したみたいな
覚悟を決めたのか、
どちらか判らない顔をする様になって

あのプロモを見て、
彼氏でも出来たのかって考えてた

…… 岡田は彼氏では無いんだよな? 」







――― 俺と、アズは…








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