いばら姫







「――… すぐに持って行く 」


『 あ! 青山!
凄く嬉しいんだけど
これからユカちゃんと、約束があってね

彼女、灰谷に
クリスマスまでに、
セーター編みたいんだって

――― 約束、したんだってさ


高校三年、不器用って事が重なって
間に合わないかもしれないって
半泣きなんだよね

まだ半身だけなんだよ

俺、編み物 少しわかるし
手伝ってあげようかなと思ってさ

毛糸足らないって言うんで
これから置いてる店、
探しに行くんだよね

―― 明日の昼が良いな



約束さえ守って貰えれば
何もしないから、安心してよ

女の子としては
まあ、性格判りやすいし
素直な子だとは思うけどね

… たいした才能も無いし
興味ないから、いらない 』



「…――― 貴様 !! 」






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