俺の姫は幼なじみ【完】
●日向side
――……3日後の朝
「んじゃ…行ってくるね」
千幸は大きなカバンを持って俺の家の玄関からでた。
「看護師さんを困らせるなよ?」
「困らせないもん」
べーっと舌をだした千幸。
不安でいっぱいのくせに…
俺は千幸をだきよせた。
「…日向…//」
「毎日お見舞い行くから」
「ぅん//」
「絶対行くから」
「ぅん…//」
俺は千幸のおでこにキスをした。
それだけで真っ赤になる千幸が可愛くて…
正直、入院となると千幸といれる時間が減るから寂しくなる。
…でも…心臓のこととなると話は別。
寂しいなんて言ってられない。
最近、倒れる回数が増えたこと。
夜、寝る時間が早くなっていること。
疲れやすく、すぐばてるようになったこと。
千幸はムリをして笑顔でいたが、俺は近々入院するとわかっていた。
「…行ってきます」
「いってらっしゃい」
俺が笑うと千幸も笑う。
それだけで嬉しかった。
そして、千幸は病院へ向かった。