俺の姫は幼なじみ【完】
「綾瀬さん、点滴の時間ですよ―♪」
優しそうな看護師さんが私に言った。
「はぃ」
私はベッドの上に横になった。
看護師さんが『少しちくっとするからね』と言いながら針を私の腕に刺した。
何度も経験すると注射も慣れてくる。
「じゃぁ、点滴終わったらナースコールしてね」
看護師さんは病室から出ていった。
点滴はとても暇だ。
時計を見るとまだ11時半。
日向…早くこないかなぁ……
と…、日向のことをふと考えたその時、
「…っ…ぅ……」
締め付けられるような痛みが胸に走る。
意識が遠くなるなか私はやっとナースコールに手が届いた。
…助けて…っ
日向…!!
そのまま意識を手放した。