俺の姫は幼なじみ【完】
ガチャ…ッ
「…お母…さん?」
やっと話せたと思ったのもつかの間、ドアが開いて入ってきたのは日向だった。
「ひ…なた…?」
日向は私に近づいてくる。
「千幸…」
なんで…ここにいるの?
なんで…文化祭は…?
なんで…
…なんで…?
疑問ばかりが浮かぶのと同時になぜだか涙が溢れてきた。
その涙を日向が指でぬぐってくれた。
「大丈夫か…?」
優しい声と暖かい手。
「ひなた…ひな…たぁ…っ」
なんだかとても安心して子供のように泣きじゃくった。
その間、ずっと私の頭を撫でながら日向はそばにいてくれた。