俺の姫は幼なじみ【完】
蛇口をひねって出てきた水を手ですくって頭にかける。
冷たくて、気持ちがいい。
「日向」
名前を呼ばれたので振り向くと凌が立っていた。
「…凌?」
「部活、来いよ」
「あぁ…うん」
軽く返事を返すと凌はこぅ続けた。
「…千幸ちゃんのこともわかるけど、」
「……」
「お前がそんなんじゃ、千幸ちゃん…悲しむだろ」
凌はタオルを俺の肩にかけると、コートに戻っていった。
「……っ」
俺はタオルを握りしめながらつったっていた。