俺の姫は幼なじみ【完】
歩くたびにさらさら揺れる髪。
広い背中。
がっちりとした肩幅。
私の手を握る手はとても大きくて。
すっぽりと私の手を包み込んでいる。
「日向」
「ん―?」
「ずっと…離さないでね…」
「離すかよ」
日向はけらけらと笑ながら後ろを振り返った。
「もしさ…、もしだよ?」
「ん?」
私は息を大きく吸い込んだ。
「…もし…私が死んじゃったら…っ…他の女の子を好きになってもい「黙れ」
ピシャリと日向の低い声が響いた。
私の手を握る手の力がまた強くなった。
言い終わる前に日向がさえぎったので、私は黙るしかなかった。
「死ぬとか…言うな…っ」
「……っ…」
そう言った日向の目は寂しげで…
私は罪悪感にさいなまれた。