俺の姫は幼なじみ【完】
「絶対…言うな…っ」
「……うん…」
日向がものすごい真剣な顔で言ったので…私はしぼりだすように「うん」としか言えなかった。
そして、下を向いてうつむくしかなかった。
「……千幸」
「…ぇ…」
頭の上からふいに、降ってきた優しい声に顔をあげると同時に、目の前が真っ暗になった。
…―あったかい…
日向の大きくてあたたかい手が私の背中を包み、
耳もとでは日向の息づかいが聞こえてくる。
…日向に抱きしめられてるんだ…。