俺の姫は幼なじみ【完】
そして、大会が始まった。
俺は5000メートルを走る。
スタートラインにつくと、緊張してきた。
「日向―!!頑張れよっ」
凌がテントから応援してくれている。
「おぅ」
俺が凌の方を見て、返事をし、またスタートラインをまっすぐ見たとき、ピストルが鳴った。
隣の選手の息づかいが耳元で聞こえる。
「はっ…はっ…」
あと、1000メートル。
「日向―!!」
「もう少しだ―っ」
力を振り絞ってゴールに飛び込むと白いゴールテープが大きく揺れた。
チームメイトが俺の元へ駆け寄る。
「日向、やったなっ!!」
「おめでとう!!」
「おぅ」
まだ整いきれていない呼吸をしながら、無意識にあいつを探していた。
「日向?」