俺の姫は幼なじみ【完】
「あぁ…っごめん」
後輩の声で我にかえる俺。
そこへ凌がやってきた。
「おめでとう、日向」
「あぁ…」
「千幸ちゃん、さがしてんだろ?」
ニッと笑う凌。
図星をつかれて何も言えなくなった。
「お前、可愛いな〜♪」
「きもいっ」
「はいはい、じゃ俺行ってくるわ」
「ん…」
凌はジャンパーを脱いで、ユニフォーム姿になっていってしまった。
そう…
俺は千幸を探していたんだ。
俺がゴールテープを切った時、
一番最初に俺に駆け寄って
まるで自分のことのように嬉しがって…
「おめでとう」
と、言ってくれる…、
大好きな千幸を。