俺の姫は幼なじみ【完】
●千幸side
「千幸、」
「……」
「千幸っ」
「…っあぁ…ごめん、何?」
「お父さんの仕事が終わる頃だから、迎えに行ってくるわね」
「うん…わかった」
あの日、お父さんはアメリカから帰ってきて、一時的だけど日本で仕事をしている。
お母さんは私をちらっと心配そうに見て、病室を後にした。
あの日から、日向が病室に来ない…。
いつの間にか窓から中庭の小道を見るのが、習慣になってしまった。
日向がいつも走ってやってくるあの小道を見るのが…。