俺の姫は幼なじみ【完】
それから、一時間ほど先輩たちと凌は病室にいた。
学校の話。
部活の話。
お母さんは最初のうちは病室にいたが、「ごゆっくり♪」と言って帰ってしまった。
お父さんがいるから、しょうがないんだけど。
その間、日向はずっとドアにもたれ掛かっていた。
――……
―…
「んじゃぁ、また来るね♪」
「またね〜」
と、やっと先輩たちは帰っていった。
…つ…疲れた―。
先輩たちが交互に話をするのでそれを一時間聞くのも結構大変だ。
日向と話をしようとしたのに、日向は先輩たちの後をついていってしまった。
…話したかったな……。
ため息をつきながらベッドに横になったその時、
「千幸」
と、大好きな低い声が背中の方から聞こえた。