俺の姫は幼なじみ【完】
千幸の涙をぬぐっていた時、俺が1週間前につけたキスマークがまだ残っているのに気づいた。
思わず、体が動かなくなる。
「日向…?」
千幸は俺の視線を目で追い、キスマークを見つけた。
すると、すっと千幸がそれを隠した。
「…ぇ…」
俺が千幸の目を見ると、千幸はこう言った。
「日向、ちょっと早いけど、プレゼントがあるんだ♪」
千幸が満面の笑みを浮かべて言った。
その瞬間、
俺の心臓がつぶれるぐらい、きしんだ。
初めて千幸の笑顔でつらくなった瞬間だった。