俺の姫は幼なじみ【完】
―――……
――…
「はぁ―…、凌、ペース早すぎ」
俺は部室の前に倒れ込んだ。
「わりぃ…大丈夫か?」
「まぁ…大丈夫だけど」
凌は少し笑って俺を見た。
「おっ…日向、ケータイ鳴ってる」
「っえ?」
俺はカバンの上に置いてあったケータイを手にとった。
「はぃ…もしもし」
「日向君!?すぐ病院に来てっ」
通話ボタンを押したとたんに聞こえてきた千幸のお母さんのばかでかい声。
「え…千幸…なんかあったんですか?」
「とにかく、来て」
ツー、ツー、ツー
無造作に切られた電話。
俺は無性に心がざわめいた。