俺の姫は幼なじみ【完】


「実は…ドナーが見つかったのがアメリカでね…、心臓移植手術をアメリカまで行って、行わなきゃいけないんだ」



「はい…」



「けれど、アメリカに行って…手術を受けて…リハビリをして…完全に元通りになるには…少なくとも半年、長くて一年や二年かかるんだ」



「二年…」



俺は少し驚いた。



「このことを千幸ちゃんに話した…そしたら、行かないと言われてね…」



「えっ」



「日向君に二年も会えないのは…考えられない…と」


「……っ」



俺は思わず下を向いた。



確かに…二年会えないのは…つらい。


けれど……千幸がこのまま死んでしまうのを横でただ見てられない。



それに…俺がいるばかりにせっかく見つけた千幸の命を繋げる方法を無くしてはいけない。









「俺が…責任を持って、千幸を説得します」










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