俺の姫は幼なじみ【完】



「…ありがとう、日向君。けれど、もうひとつの可能性も皆さんが受け止めた上で説得してほしいんだ…」



「もうひとつの可能性…?」



先生は軽く「うん」といった。



「…心臓移植手術は簡単なものじゃない…。つまり、失敗する可能性もあるんだ」



「……」



俺は何も言えずただ先生の目を見た。



「もし…アメリカに行って…そのまま日本に帰って来れなくなることも、ないとは言い切れないんだ…」




…―『ないとは言い切れないんだ』



先生の言葉が頭の中でこだまする。









それは…つまり、

千幸が死ぬかもしれないということ…?










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