俺の姫は幼なじみ【完】
俺はゆっくりと腕の力を緩め、至近距離で千幸の顔をじっと見た。
少し化粧をしていて、あの頃より大人っぽくなった。
けれど、笑顔はそのままでやっぱり俺の大好きな千幸なんだと感じさせる。
「日向」
「ん?」
「…ずっと、日向のことだけ考えて、リハビリも頑張ったし…ここまで元気になれたよ」
「うん…」
「病院での治療に耐えられたのも…日向のおかげだよ」
「…え?」
「日向に会いたくて…、それだけのために…頑張ったもん…」
頬を赤らめてそう言った千幸はめちゃくちゃかわいかった。