この星空を君に
全部思い出した。わたしは、星を見ていて、前も見ないで、坂をくだってて、誰かにぶつかったんだ!たぶん…………この人に。
わたしはベットからとびおりて、床にひざまづき、頭を下げた。
「ほんとにごめんなさい!わたし、星を見るのが好きで、自転車に集中してなくて!なのに、こんな態度とっちゃって!助けてもらったのに!」
さっきまでの自分の行動を思い出すと、恥ずかしすぎて、涙がでてきた。
“穴があったら入りたいって、こういうことか…。”
「ほんとごめんなさい…」
「ねぇ。」
え?わたしは顔をあげた。公貴さんは、ベランダから手招きをしている。
「星、綺麗だから一緒に見ない?」
「あっ…。」
「おいで。」
「う…うんっ!」
公貴さんの笑顔は優しかった。彼のことを全部知ったような気がした。