無糖

願い

【願い】

季節は僕を追い越すけれど
動けない僕らはあの頃のまま

君とこれからいくらでも。

多くの季節を過ごしていけるのだと
今立ち止まるのはムダなんかじゃなくて
それすら尊く大きく強く

明日へ君へ
繋がっているのだと 信じていた。


ホントはね。
帰ってきてくれるんだって
願っていたよ。



願い なんて。


叶わないことを知っているから
こんなにも強く、願うんだろう。


それでも君は

願いは消えて往くものではなく
忘れてしまうものではなく

胸の内にそっと溶けてゆくものなんだと
そう教えてくれた。



だから僕は 蝶を想う

胸の内に広がっていった願いと記憶と共に
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