無糖

その色はまるで呪縛の具現

【その色はまるで呪縛の具現】 

 色 が 見えた
  足元から わたしを 巻いているように

  黒い 黒い 色
 見えて しまった 色

呪縛 と 同じ 色

 来たね と わたしは 哂った
  遅かったね 久しぶり 
   もっと 早く 来るかと 思っていたよ


 黒い 色 は
  生半可な 色 ではなく

 安眠 の 為の 色 ではなく
  わたし を 飲み込む 色

 黒い 服を わたしが 着るのは

  大事なひとへ の 安らかな眠りの 祈り と
   わたし 自身 が 強く 在る為


でも 色 は
 見える 色 は

  わたし を 飲み込む 色

 少し だけ ほんの少し
   泣いて 泣いて 泣いて
     弱音 と 本音 を 吐きだした場所は


 暖かい 薄い 黄色 の 場所


 真夜中 だった けれど
  ふたり は 暖かく わたし を 包み込む



  ありがとう



 今日は 色 は まだ 見えない
  呪縛 の 色 は

  また 来る

    いいよ おいで 逃げられない から

 ほら いらっしゃいな


  大丈夫 よ

   笑って その色と 共に
    色 が 去るまで



  赤 と 一緒に

     生きるから

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