僕らのメロディー
曲が終わる
先生の動きが止まって、皆の動きも止まる
音の余韻だけが響いている
時が止まったみたいだ
私はこの瞬間が一番好き
この瞬間が一番気持ちいい
余韻が無くなると今度は、大きな拍手が聞こえてきた
音のする方を見ると
篠村先生が笑顔で手を大きく叩いていた
それがなんだか恥ずかしくて
私と美里は顔を合わせて笑った
「皆さん上手ですよ。
皆さんの助けになれるように私も頑張らなくてはいけないですね。」
篠村先生は誉めてくれた
私達の演奏を誉めてくれたんだ
でも、この時気づいてしまった
篠村先生の左手の薬指に光る銀色の指輪の存在に