僕らのメロディー
午後になり、合奏の時間になった
私は1番後ろ
チューニングも済ませて、準備は万端
先生が来るのを待っていた
練習をしながら先生を待っていると、笑顔の先生が現れた
タクトを持って先生が自分の譜面台の端を“カンカン”と鳴らす
その音をきっかけに練習していた皆の音がなくなる
「はい、皆さん。今日はお客さんを連れて来ましたよ」
“お客さん”?
誰だろう?
ドアから顔を出したのは…
「篠村先生…」
「友香の知ってる人?」
隣にいたトロンボーンの美里が言った
「うん、午前中に廊下で会ったの。
挨拶しただけだけどね」
「ふ~ん。そうなんだ」