あたしだけのお医者さん

コンコンッ


ドアがノックされる音が病室に響いた。

「はい…ゲホッ」
とりあえず返事をする。



「失礼します……
気がついた?


ちょっと診せてね…」

先生は、あたしの手首に指をあてて、真剣な顔で腕時計を見てる。


その姿がカッコ良くて、顔が熱くなるのが自分でもわかる。

まぁなにもしてなくても十分カッコイいんだけどね!


「脈速いな……。

点滴に呼吸楽になる薬入れといたから、もうちょっとしたら苦しくなくなるからね。」


あたしがコクりと頷いたのを見て、


「夜のご飯まで眠るといいよ。

まだ熱も高いみたいだしね。

時間になったら起こしてあげるよ。

おやすみ。」

そう言ってあたしの頭を撫でた。

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