あたしだけのお医者さん

顔を真っ赤にして泣きそうになっているあたしに向かって先生は、



「すいません、おもしろくてつい。」


と、フォローになってない言葉をかけると、ベッドの横にある椅子に腰掛けて、いくつか質問をして来た。


「具合が悪いのはいつからですか?」


「3日ほど前です」


「どんな具合ですか?」


「頭がズキズキして咳がでます。それと……体がふらついて……息が苦しいです。」


先生は一通りの問診を終えると、


「熱高そうだな…

もう一度計ってみて」


渡された体温計を脇に挟み、しばらくまつ。

ピピッという音と同時に、先生が体温計を取り上げる。


「39.6度………
これは辛いな……。
咳もひどそうだな。
あーんして。」


「あーん//」

恥ずかしいっ///


先生がペンライトとアイスクリームの棒みたいなのであたしの喉を覗きこむ。


先生の真剣な顔が近くにあって、ドキドキし過ぎて息が苦しい。


「もういいよ。
腫れてるね。
かわいそうに。


「呼吸も診ておくね。胸の音聴かせてね。」



< 7 / 132 >

この作品をシェア

pagetop