融解days
春休みも何となく終わってしまい、入学式を迎えた
例年通り不規則な生活を繰り返すだけで楽な生活とは実に早く終わってしまうものだ。
これから高校生活が始まる
しかし新たな気持ち。というよりかは面倒だなという気持ちが脳の8割であった
部活は幼い頃からやっているものと同じバドミントンを
やることに最初から決まっていた。そこそこの成績はあったし今更辞めることはできなかった。
まず親が相当なプレッシャーをかけるので辞めるなんてまず不可能である
「偽善者」である私には
できることなど何もないと思い知らされたような
気持ちになり、苛立ちを
覚えた。
それからというもの
日常は融けるように
消化されていった。
それなりに友達もできて
高校生活も自分の「あたりまえ」になっていく。
新しかった教科書も少し馴染んだように汚れてきた頃だった。
「ねえ、美雨〜。あたしの友達の男子が美雨のアド知りたいってよ〜」
そう言ったのは高校になってからの友達の理恵だった
「え。」
実を言うと私は男子が余り好きではなかった。
何故かと言うと中学校の頃両思いだった人に裏切られた事があった。それ以来男子を軽蔑した目でみてしまうようになったのだ。
しかし、やはり表向き悪にはなれない私は幾度か告白されるたび仕方なく異性と付き合うことはあったが
いずれも本気なんてものとは程遠く、相手に対してどこか哀れみと優越感を感じていた。
またか、と思った
面白そうだと感じたのだがやはり面倒なメールなどする気にはなれなかったので
断ることにした。
高校になってから頻繁に
このような事が繰り返された。周りは人と付き合いたくて仕方がないのだろうが私には到底理解し難いことであった。
逆にその必死さが吐き気がするほど不愉快だと感じた
私は、現実なんて見たくない。一生恋なんてしたくないと思った。面倒臭いし、不愉快だし、何か嫌だ。