オプティミスト


「おーい。全員席に着け。ホームルーム始めるぞ。」


そう言ってダルそうに教壇に上がるのは担任のやっちゃんこと谷田部先生。
イカツイ顔して、頭角刈りなのに意外にも音楽の先生である。

似合わねー。




「今日は転校生を紹介するぞ。」

教室がその一言で一斉に騒めきはじめる。新しいクラスメイトが出来るという、普通の日常にはそう滅多に起こらないことは、日々の何気ない毎日に飽き飽きしている学生にはとても大きな出来事である。

「みちこー。どんな子かなあ?かっこいいかな〜。」
「あんた彼氏いるだろうよ。」

「えぇ〜?みちこ堅苦しい〜!それとこれとは別なの〜!」

「ちょっ!堅苦しいって!」

「あっ来たよ〜!」



クラスの注目を一身に受けながら入ってきたのは、短髪の黒髪に、透き通るように白い肌を少しピンクに染めて形の整った眉を少し不機嫌そうに歪めた男の子だった。


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