空色すくらんぶる
仕方がないから、塾でいりそうなものを鞄に詰め込んで家を出た。
すると、
「おい。出てくんのが遅いんじゃないか?」
叶汰はすでに外に出て私を待っていた。
「そんなことより、早く連れていってよ。塾に。」
自転車にまたがりながら私は言った。
「そんなことよりってなんだよ?!せっかく人が待っててやったのにさ。」
「頼んだ覚えないし。」
「それよりさ、俺の後ろに乗らないんなら連れていかないから。」
叶汰は、自分の自転車の後ろを親指で指しながら言う。
それよりってなんだよ。自分だって勝手に話し変えてるじゃん。しかも後ろに乗れなんて……。
無理に決まってる。
だけど言うことを聞いておかないと、後が恐い。
仕方なしに自転車から降りてもとあった場所に戻す。
そしてやっぱり、仕方がないから叶汰の自転車のかごに荷物を乗せて、私も後ろに乗った。
叶汰の自転車には、ちゃんと座るところがついている。だからそこに横向きに座る。すると、持つところがなくて怖い。だから、叶汰の腰辺りに抱きつく。
叶汰の肩を持って運転がしにくくなったら、自転車から落ちてしまう。
それは嫌だ。