空色すくらんぶる
着いたという叶汰の言葉を聞いたと同時に、私は自転車から飛び降りた。かごから私の鞄をとり、先に塾の中に入った。
塾といっても小さなものだった。マンションの一番広い部屋を少し改造して使っているらしく、塾の上には普通の部屋があたりまえのように並んでいる。
塾の玄関は階段を少し上がったところについていた。
中に入り、とりあえず塾長ぽい人を探す。
探していると、その本人さんから話しかけてきた。
「蒼空野さん?塾長の安藤というものですけど…。」
「あっ。はい。そうです。えっと、これからどうすればいいんですか?」
「お母さんから聞いてると思うけど、この塾にはクラスで授業を受けるものと、個別で授業を受けるものがあるんだ。」
「は、はぁ…。」
そんな説明、お母さんから全く聞いてないんだけど?てか私、クラスか個別かどっちかわからないんだけど…。もぉ、お母さんのバカ……。
「で、蒼空野さんはクラスだからとりあえずこっちの部屋で待っててくれるかな?座る席は中に入ったらわかるから。あと、授業もそこでやるから。」
進められた部屋に入った。
なんだかドキドキする。
入って右側にはホワイトボード。左には、椅子と机が……並んで…る。
そしてそこには、私の知っている顔があった。
それは、今一番会いたくない?人だった。