神威
「ちょっ…遠藤!お前!」
 
 
「うん、何?」
 
 
三田は背筋に凍りつくものを感じた。そして本能が告げている。こいつは俺の知っている遠藤ではない、と。
同時に、殺されかねない、と。
 
 
「嘘つきはね、死ななきゃ治らないって言葉は知ってるよね?」
 
 
遠藤はあくまでも笑顔だ。それも非常に薄気味悪い笑顔。
 
 
「だから何が言いたいんだよ!?」
 
 
「うん、その持ってる短刀を抜けばわかるよ、佐助。」
 
 
―えっ?今何て言った?
 
 
「随分怪訝な顔するじゃない?探してたんだよ僕はずっと佐助、お前のことを。」
 
 
突然の奇襲と発言の前に驚きを隠せない三田を前にして、相変わらずのにこやかな口調を保ちながら遠藤の表情からは徐々に笑顔が失われていき、真剣な表情へ変わっていく。
 
 
―そうか…こいつもゼーマンの言っていた覚醒した奴か…。
 
 
「お前は…遠藤じゃないな。」
 
 
「いや、遠藤だよ。でも今は…そうだね。服部半蔵って呼んでくれないかな?」
 
 
―やっぱりそうかよ!!
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