神威
吹っ飛ばされたところに容赦なく飛びかかる遠藤。
 
 
「あああああぁ!!」
 
 
火花を散らし噛み合う二人の短刀。しかし姿勢のせいもあり徐々に三田は押され始める。
 
 
「くっ!」
 
 
三田は下から遠藤の腹部、鳩尾周辺を蹴り上げた。
もろにその蹴りを受けた遠藤は片膝をつきながら後ろへ転がり、三田との距離をとる。
 
 
「…はあっ…はぁっ…はぁっ!!」
 
 
「ぐっ…そうだ佐助…本気で…本気で殺す気で来なきゃ…橋口は助けられないよ。」
 
 
その時…。
 
 
“そこまでだ!!”
 
 
屋上の扉が開き、槍を持ったゼーマンと、刀を持った橋口が屋上に出てきた。
 
 
「何っ…!!」
 
 
“三田君、大丈夫か?”
 
 
「あっ、ああ…それより何で二人ともここに?」
 
 
「詳しい話はあとで。」
 
 
橋口はそれだけ言うと遠藤に向き直り、刀を振り上げた。
 
 
「新撰組一番隊組長、沖田総司、参る!!」
 
 
「その刀は…加州清光!!まさか…くっ!!」
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