神威

“そこにいたのか…探したぞ。”
　
　
電器屋の屋根から三田達を見下ろす一人の男。
　
　
「なんだよお前はッ！！」
　
　
包丁を投げられた三田は男を睨みつけながら叫ぶ。
　
　
“ふむ…っ”
　
　
三田の叫び声を一切無視したように屋根から飛ぶ男。
一旦クッション代わりに、表に停車していたセダンに着地し、その勢いで三田の前に飛び移った。
　
　
「危ない奴だな…。」
　
　
その男は2m近い体躯、黒いスーツに黒髪、サングラス、しかし肌の色は白く日本人でないことはそこから見て取れた。
　
　
「最近の外人って身体能力すごいのね！！」
　
　
「橋口…で、危ない外人さんよ、何なんだお前は？」
　
　
“ふむ…私は、アイトール・ゼーマン。またの名を“真田幸村”、お前を迎えに来た。”
　
　
「はぁ！？」
　
　
―なんだこの外人？日本語うまいのもびっくりだが自分のことを真田幸村とか絶対おかしい！！