あの日の約束。
その瞬間、あたしは荷物を持って教室を飛び出した。


「おい山本!サボる気か!」

後ろで聞こえる担任の怒鳴り声も、クラスメートのざわめく声も、なにもかも聞こえないフリをして走りつづけた。




ねぇ、こうちゃん。

なんで、目反らしたの?


お嫁さんになってくれる?


って行ったよね?

あの日の約束は…

嘘だったの?




こんなに質問があるのに、自分が傷つくのが怖くて、心の中で問いかけるだけ。

そんなあたしは、臆病者。


そんなこと考えてたら、涙が溢れてきて、あたしは走ってあの場所に向かった。
< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop