ティラミス捧げます スイーツコメディ祭参加作品
「好きな人にでも作ってあげるんですか?」


なんか……よくツッコんでくる超絶美形だなぁ。

でも、声のトーンからして、やっぱり男みたいだな。


「好きな人……とは違うかもです」


好きか嫌いかと聞かれても。


理不尽か、そうでないかみたいにはっきりとは答えられない。


ま、嫌いじゃないですよ、あの方は。


かわいいとこもないわけじゃないし。



「あなたも苦労したがりですね」


ん?


引っかかる言い方したよね、この人。


でも、何に引っかかってるの、オレ?



「あんまり無理しないほうがいいですよ、本業のほうに差支えない程度で頑張ってくださいよ」


言いながら、超絶美形は紙袋に入れた本を差し出した。



「あれ、お金……」


「それ、プレゼントしますよ。これは私からのお礼」



プレゼント?
お礼?


オレ、こんな超絶美形の知り合いいますけど。



もしかして、ご親族かなんかなの?



「ま、気にせずに。また来てくださいね」
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