ティラミス捧げます スイーツコメディ祭参加作品
「ティラミスを……作れって言われました」


本を紙袋から取り出して。
オレは「手作りお菓子」の本をガブリエル様に見せてみる。


天使様は一瞬ぽかんと口をあけられた後。


「あらぁ。ミカちゃんってほんとに素直だわ」


とおっしゃった。


ちょいちょいちょいちょいっ!!

待ってくれ!!


もしかして。


「うん。ボクがねぇ、教えてあげたんだよ。ティラミス。あとバレンタイン?」


自分が言ったことなのに。
疑問で答えんなって!!


「どうしてそんな余計なこと!!」


しやがった。


という言葉は呑み込んでみる。


だって、一応天使様。


どっかのドS天使様にお言葉使いを注意されそうです。



「最近ねー、バレンタインも近いでしょ? ボクの部屋にすっごい甘いものが増えちゃってねぇ。困ってたの。ほら、ミカちゃんってあんなんだから。女の子は近寄れないでしょ? で、ボクのところにミカちゃんの分まで流れ込んできてね。この間、ご招待したのよ。ミカちゃん、素敵な甘いものがあるからどうぞって。そのときね、隣の市の○○ってところの有名なティラミスをミカちゃんにあげたら、はまっちゃってね」
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