ティラミス捧げます スイーツコメディ祭参加作品
レクチャーですか?
言われた通り保健室に行ったらば。


「待ってたよ、マリア君」


とにこやかにほほ笑む白衣の天使様。
誤解を招く言い方だった。


白衣をまとわれた天使様。


保健室にはがっつりと。

ティラミス作りのためのボールやら。
泡だて器やら。
オーブンやら。

一式揃っていらっしゃる。


「つーか、この道具、どうしたんすか?」


オレの質問に天使様は極上のほほ笑みを浮かべ。
人差し指は唇にあてて。


「それは内緒」


とおっしゃった。



オレ。
Sな天使様もね。
すっごい怖いなーって日々思うけど。


実はこっちの天使様のがヤバいんじゃね?


って思う時がある。



いやいや。
勘違いだな。


あの天使様よりは、人にモノを頼むことがきっと丁寧なんだろう。

それに加えて、この美貌。


頼まれた相手だって、絶対に『NO』とは言えない。

いや、言わせないのが正しいのか?
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