ティラミス捧げます スイーツコメディ祭参加作品
「あの……それ、私買ってもいいかしら?」


野太いおばさんの声がオレの隣から割り込んできた。


って。
まぢで?


「私、お店やってるの。ちょっと足りなくて。急ぎでほしいのだけど?」


そう言うと、店員さんはオレを押しのけ、おばさんに「もちろん」と答えた。


「ではレジまでご案内いたしますね」


店員さんとおばさんが連れだってレジへと向かっていく。


ウソだろ?
おいおいおいおいおいっ!!


オレの。
オレのマスカルポーネ~!!


どうしよう。
材料ないってことじゃん。

作れねー。
マジ、作れねー。


だって、明日がバレンタインだぜ?

今日作んなきゃ。



オレ、殺されるの決定ってことじゃん。


いやだー。
それだけはまぢでいやだー!!


オレ、三途の河なんて見たくねーよー!!
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