ティラミス捧げます スイーツコメディ祭参加作品
「材料は譲ってやるよ。でも、一人分なんてケチくせーことはできねーからな。全部持ってけ。んで、これ全部使って作れ。作ったら、とりあえずオレんとこと。ジブリールんとこと。本くれたヤツのとこにも持ってくる」

「はぁ」

「で。いい加減に作るなよ。精魂こめて作れよ。気持ちが入っているか、いないかなんざ、食べたらすぐに分かるからな」

「はい」

「全員に合格点貰えなかったら、材料費払って貰うから。1万円ね」


げっ!!

つーか。
そんな条件のめっこねぇ。

だって、そんなうまいもん作れる自信、まったくないし。


「やる? やらない? 選択肢、ねーんじゃね?」


この人、こんな人だったの?


確かにおっしゃるとおりですが。

つーか。
なぜ敬語!!


「少年?」


一言、一言に。
なぜか重みを感じます。

その上。
なぜかあの天使様とか、保健医様に近いものを感じます。

あんた、何者?


いやいやいや。
考えろ、考えろよ、真理矢。


明日だぞ。
明日にはあのS天使様にティラミス捧げないと殺されるんだぞ。


三途の河見せられるんだぞ!!


迷ってる場合じゃねー……よなぁ、やっぱ。
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