ティラミス捧げます スイーツコメディ祭参加作品
『あれでいて、少年のようにカワユイときがあるんじゃよ。ほれ、どうだ? 少しはやる気になったかぇ?』


天使様は確かに。

喜怒哀楽の表情が乏しい。


意地悪して楽しそう。
意地悪して嬉しそう。
めっちゃ怒ってます。
殺されそうです。


っていうのは、いらんくらい前面に押し出すくせに。


本当に心から嬉しい。
本当に心から楽しい。
本当につらくて仕方がない。
本当に悲しくて仕方がない。


そういう気持ちにはまるで蓋をしているみたいに、表面に出さない。


ときどき、今何考えてんだ?


そんなふうに、天使様を遠くに感じるときがある。


『そんな顔を、おまえなら引き出せると思うんじゃよ。いや、おまえが引き出してやればええ』


オレが?
天使様の?


『おまえにしかできんことじゃよ』


そう言うと、じーちゃんはバイバイと手を振った。



なんだよっ!

言い逃げじゃん。


つーか、それオレの仕事なの?
それもマリアの仕事なの?


よくわかんねー。
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