ティラミス捧げます スイーツコメディ祭参加作品
「おまえ、私が『頼んでいる』と勘違いしてないか?」

超高圧的な言葉が降ってくる。

この言葉を跳ね返せないまでも、なんとか耐える鋼鉄製の傘がほしい。


「じゃ、お願いでしょうか?」


頼んでいるんじゃないんなら、お願いってこと?

いやいや、天使様にお願いされたって。
オレは絶対に無理ですよー。

っていうか、ほんとに嫌です。


「なぜ、下僕のおまえにお願いなどしないとならないのだ」


あー。
下僕って言われた。

凹むなー。

最近、保健医様にも『飼い犬ちゃん』だの『ペットくん』だの、言われ始めたもんなぁ。



「じゃ、なんですか?」


「命令以外に何がある」



命令。


上からこう、思いっきり押し付けられて。

『オラッ、オレの言うことだけ聞いてりゃいいいんだよ』


的な。


「もう一度だけ言う。私のために誠心誠意をこめて『ティラミス』を14日、バレンタインの日までに作れ。これは命令。逆らったら、三途の河の岸辺くらいは見せてやるぞ」


三途の河ね。

あの『ジャガイモ』いっぱいの……いやいや。
女の子たちが山のようにいた、あの素晴らしいハーレムの……



「分かったな、テンシン?」


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