【完】宛先不明のラブレター
「いや、てか初めてなのに、その…何度も、ごめんね」
「うぅん。 …まぁ、それもあるんだけど、」
「?」
顔を見て話しているのが辛くなって、さりげなく目線を下に落とした。
こんなところで泣くわけにはいかないのに。
…ちゃんと、聡に伝えておかなきゃいけないことがたくさんあるから。
「…あたしを、一瞬でも、選んでくれて。」
「……」
「…あたしを、好きって言ってくれて、ありがとう」
「…果枝?」