【完】宛先不明のラブレター


「いや、てか初めてなのに、その…何度も、ごめんね」

「うぅん。 …まぁ、それもあるんだけど、」

「?」


顔を見て話しているのが辛くなって、さりげなく目線を下に落とした。

こんなところで泣くわけにはいかないのに。


…ちゃんと、聡に伝えておかなきゃいけないことがたくさんあるから。




「…あたしを、一瞬でも、選んでくれて。」

「……」

「…あたしを、好きって言ってくれて、ありがとう」

「…果枝?」


< 102 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop