【完】宛先不明のラブレター
涙を拭いながら、聡は再びしっかりとあたしと目を合わせた。
「…何?」
それに答えるように、あたしもしっかりと目を合わせる。
聡が言った、『最後』という言葉にひそかに傷つきながら。
…自分から言い出したことのはずなのに。
「…俺といたこと、後悔してる?」
「…、したことなんてないよ」
「……そっか。」
あたしの答えを聞いて、嬉しそうに、でもどこか悲しそうに笑う聡に、あたしも無理矢理笑顔を作ってみせた。
「…幸せになって。」