【完】宛先不明のラブレター
_prologue
『貴方は、彼女を一生愛することを誓いますか?』
…たしか、そんな風に聞かれたのではなかったかな、と思う。
もうおぼろげで、あの日のことはよく覚えていない。
ガラにもなく緊張していて、横には純白のドレスを身にまとった彼女が、立っていて。
…少し頬を染めて、いつも以上に美しいという言葉がよく似合う、彼女が。
そして、俺はたしかにあの日、はっきりとこう言ったのだ。
「…はい、誓います。」