【完】宛先不明のラブレター
茉莉が入学した年の夏に茉莉に告白されて、4年。
俺は医学部6年、茉莉は看護学部4年になった、卒業間近の冬。
「…なに、どうした?茉莉」
「ん、聡の姿が見えたから」
「どうせこのあと会う約束だったじゃん」
「そうだけどー…」
少しふてくされたような顔をしながら、茉莉は俺の横に並んで歩きはじめた。
そんな茉莉の様子にふっと笑うと、茉莉が気付いて更に不機嫌な顔をした。
「…聡のばーか」
「はいはい」
「~~、いっつもそうやって流すんだから!」