【完】宛先不明のラブレター
「寂しいよ」
「本当に?」
「本当。…茉莉は?」
「寂しいに決まってるじゃない」
そう言って、俺に抱きついてきた茉莉をそっと抱き返した。
…抱きしめて、俺よりずっと小さい彼女を、改めて愛しいと思った。
付き合って4年にもなる。
お互いに嫌なところだってたくさん見てきた。
けれど、それでも、愛しい存在。
付き合い始めた時よりずっとずっと、この気持ちは大きくなっていた。
「…ずっと一緒にいたいって、思ってる」
「…聡?」