【完】宛先不明のラブレター
「…まぁ、あくまで予約なんだけど…」
「…なによ、それ」
俺の言葉に、茉莉は少し不満そうな声を出した。
そんな茉莉を苦笑しつつ見ていると、理由をいいなさいよ、と言われたので仕方なく口を開いた。
「…だって、俺は資格をとってもすぐに働けないし、…給料だって、そんなにないわけだから…結婚したって茉莉に苦労かけるだろ」
「夫婦は、お互いを支え合っていくものでしょう?」
俺の瞳をしっかりと見つめ、茉莉はそう言った。
…正論といえば正論だけど。