【完】宛先不明のラブレター
「…不意打ちすぎだよぉー…」
「お前泣きすぎ。」
「うるさい、聡のせいだから!」
「はいはい」
…あの頃の、若い頃の勢いで彼女を、茉莉を選んだわけではない。
流れで結婚したわけでもない。
けれど、結局、俺は後悔しているのかもしれない。
茉莉を、結婚という方法で、法律を使って俺に縛りつけたことを。
…正直、今になって考えてみても答えは全く見えなかった。
過去のどの道で選択肢を変えたとしても、結局は後悔していたのかもしれない、と思う。
…誰もが皆、幸せになる方法が存在しないかぎり。