【完】宛先不明のラブレター


公園、というには遊具がない。

展望台、というほど立派なところでもない。


ベンチがぽつん、と寂しげにひとつあって、それを街灯が照らしている。


昼間も小学生が遊びに来ることはほとんど見かけたことがない。

本当に何もないところだ。




「…あれ、人がいる…?」


…小さい頃から何度もここには来ているけれど、こんな時間にこの場所で人に会うなんて初めてだ。

もしかして、幽霊?


…なんて思いつつ、徐々にはっきり見えてきた人物に、驚いて声をあげてしまった。




「って、君女子高生?!」


< 138 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop