【完】宛先不明のラブレター
公園、というには遊具がない。
展望台、というほど立派なところでもない。
ベンチがぽつん、と寂しげにひとつあって、それを街灯が照らしている。
昼間も小学生が遊びに来ることはほとんど見かけたことがない。
本当に何もないところだ。
「…あれ、人がいる…?」
…小さい頃から何度もここには来ているけれど、こんな時間にこの場所で人に会うなんて初めてだ。
もしかして、幽霊?
…なんて思いつつ、徐々にはっきり見えてきた人物に、驚いて声をあげてしまった。
「って、君女子高生?!」