【完】宛先不明のラブレター
「え、…」
俺に言われて思い出したのか、自分の服に視線をやっている女の子を、少々呆れながら眺めていた。
「こんな暗い所にいたら危ないから早く帰りな?」
声をかけながら、女の子の方に近付いていった。
顔がはっきり見えるところまで来ると、少し不機嫌そうな彼女と目が合った。
ドクン、とその瞬間心臓がはねた。
…って、なんでどきっとしたんだ、今。
しかも、自分よりもずっと年下の女の子に。
疑問に思いつつ女の子を見ていると、女の子が口を開いた。