【完】宛先不明のラブレター
「…知らないオジサンに心配されるほどか弱くもないんで大丈夫です」
「オジサンって……参ったなぁ、俺一応25なんだけど、」
女の子の手厳しい発言に思わず苦笑しつつ、女の子の座っていたベンチに腰掛けた。
…今思えば、この日この時間にこの場所に来なければ、俺は果枝と出会っていなかったわけで。
そう考えると、やっぱり運命だったのかな、と乙女のようなことを思ってしまう。
果枝は、どう思ったのかな。
あの日、あの場所で初めて俺を見たときに。